タンクの板金修理


自動車のタンクと違いバイクのタンクは機能と装飾を兼ねています。
中身のガソリンは灯油やアルコールより揮発性が高く危険です。
少しでもガソリンが残った状態で溶接をすると爆発する可能性があるので
細心の注意が必要です。
自動車のボディであれば溶接機を使い引く事で板金が可能ですが
穴が開いてしまう可能性もあります。
小さな穴は車のボディならパテ埋めしても問題ない事もありますが
ガソリンを入れるタンクはそうはいきません。
そこで昨今あまり使われない融点の低い半田溶接で板金をします。
半田は鉄より強度が低い為引いた際タンクに穴を開けてしまう事がありませんし
溶接のように火が出ない為爆発や火災を避けれるメリットがあります。


三次局面が強い程引き出すのは容易ではありません。
何度も半田とワッシャーを繰り返し溶接し引き出します。


ここまで引き出せればタンクの容量も変わることがありませんし
見えませんが裏側が焼ける心配もありません。
板金技術にはノウハウも含まれます、塗装されてしまってからでは
どのような修理をしたのかわかりません。
塗装は只の化粧に過ぎません、板金 下地処理が肝心です。

ちなみに上の赤いタンクはどこの誰が何を使って塗装したのかわからない
キャンディーレッドです。
この色の調色がどれほど大変なのかはこの仕事に従事してる人ならわかると思います。
